自分は雰囲気で研究をやっています。
ラマン分光法やX線回折法を用いて結晶構造や元素の分析を日々行なっています。
測定において混ざるノイズは少なからずあり、測定データを見ると、全体としてはある程度曲線の形が認識できますが、細かいところはギザギザとしてグラフが描かれています。
これを滑らかな曲線で近似して、ピークの最大値を持つ位置を特定したり、半値幅を得るなどしています。この近似をピークフィッティングだと認識しています。
また、検出されるピークの位置が近いものだとピークの裾にもう一つピークがあったり、小さいピークが大きなピークに喰われたりしていることがあります。その場合にどのようなピークの重ね合わせによって、その測定データとして表に出てきているかを考える必要があります。重なっているままだと喰われた側の小さなピークの最大値位置が分からなかったりします。このどのようなピークの重ね合わせになっているかを明らかにすることがピーク分離だと思っています。
以上前置き
ここから本題
手でピークフィッティング等をするのは面倒なので、もちろんソフトウェアを使います。
有名なのはOriginとかPeakfitとかでしょうか。大抵はOriginで解決できるので、それを使いましょう。有料ですが。
しかし、簡易的な分析で十分な場合はフリーソフトでやってます。
以前まではXPSpeak4.1というソフトウェアを使っていましたが、パソコンの新調時にインストールソフトのダウンロードができなくなってしまっていました。なので、代替のフリーソフトを探します。
条件は
ピークフィッティングに用いる関数でガウス関数とローレンツ関数が選択できること。
Fitykというソフトが使えそうな感じです。PDIndexerというものもありましたが、関数がよくわからないので辞めておきます。でも使いこなせたらかなり便利そうです。
同じ測定データをXPSpeakとfitykでそれぞれ処理した時の結果を比較して、fitykを採用するか考えます。
フィッティングソフト候補
・XPSpeak4.1(公開停止):無料。
・PDindexer
manual:【PDIndexer】XRD測定に便利なツールの基本的な使い方 | 大学生活のすゝめ
・fityk
HP:Fityk --- curve fitting and peak fitting software
manual:https://buildmedia.readthedocs.org/media/pdf/fityk/latest/fityk.pdf
Gaussian: (A):
Lorentzian: (A):
がそれぞれあるが、両方実際に試してよりフィットするほうを選択するのがよさそう。
・SciDAVis
HP:SciDAVis
manual:https://core.ac.uk/download/70323998.pdf
・LabPlot
HP:LabPlot – Scientific plotting and data analysis
・Aveloy Graph
HP:Aveloy Graph
・Kst:
:Chapter 5. Plugins, Fits, and Filters
gaussian (weighted)
lorentzian (weighted)
・OpenChrom
manual?:File based identification (NIST-DB alternative) – Open Source Spectrometry
・gnuplot:gauss関数のフィッティング機能はある。lorentz関数がなかったので落選。
・Igor pro:有料。試用期間30日。
・QtiPlot:有料。無料トライアル版は1回20分。
gauss Y(x) = y0 + Ae-(x - xc)2/2w2
lorentz Y(x) = y0 + 2Aw/[4π(x - xc)2 + w2]
・peak resolve(OMNIC):入手先が不明で断念
・DPlot:有料。試用版は30日間。
・MagicPlot:有料。
参考 Origin Pro(引用元:非線形フィット関数の一覧 | データ分析・グラフ作成 Origin | ライトストーン)
*フィッティング関数の使い道
対称性をもつピーク
・ガウス関数:XRDの結晶ピーク、ラマン分光の非晶質ピーク
・ローレンツ関数:ラマン分光の結晶ピーク
非対称性をもつピーク
・ガウシアン関数:XRDの結晶ピーク、ラマン分光の非晶質ピーク
・ローレシアン関数:ラマン分光の結晶ピーク
で有効。
フォークト関数がガウスとローレンツの組み合わせらしいですが、詳細は不明。
2022/06とりあえず気分でかけるとこまで書いた
2023/07まとめるのをめんどくさがって放置してたのを進める